その脇差は、空音のものだ。



でも空音にその脇差を返すと、何故か・・・



空音がどこか遠くへ行ってしまう気がして、今も渡せないでいる。





出会いは、6年前にさかのぼる。






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「ねぇ、あれ見てください、桂先生。人が・・・」


桂小五郎の隣にいる女が、橋の下の川を指差す。


そこには、川を真っ赤に染めて10歳にも満たないだろう女子が流れていた。


ぴくりとも動かず、意識を失っている。




桂は急いでその女子を引き上げさせ、女子を連れて寺小屋へと急いだ。





「先生!!人が!人が流されていました!」