徐々に縮んでいく距離のなか、焦る頭を少しでも多く動かして一つの結論に至る。 相手は私の顔なんか知らないはずで、別に敵とは分からないだろう。 多少他人のふりをして横を通り抜ければ、問題はない。 「落ち着け、他人のふり・・・!!」 大きく深呼吸して、ガチガチになった足をゆっくりと動かしていく。 今、こんな結論に至ったことを後悔するのは、まだ少し先。