Bautiful World ー真心を君にー





「だから、恩返しだなんて言わないでくれ。私は空音と居られるだけで嬉しいのだよ。それをわかってくれ。」




拳を握って、正座して俯いていた空音の頭を優しくなでる。



「私は・・・」


涙を目にためて、口を開く。しかし桂は空音の言葉をさえぎる。


「空音。傍に居てくれるだけでよいのだと、何度いえばわかってくれるのだ。・・・それと、空音に渡さなければならないものがある。」


「・・・え?」



懐から脇差を取り出して、空音の前へとおく。

決して高価なものとはいえない、脇差。




「これは、空音。お前のものだ。ずっと渡そうと思っていたのだが・・・」



そのさきの言葉は、いえない。
自分の欲で満たされた感情など、吐き出せるわけがない。


「これ、が・・・?」


ゆっくりと脇差に触れる。



「早瀬出雲。それが、空音の名だ。記憶にないかね?」



「・・・はやせ・・・い、ずも・・・・?」