「桂先生ッ!!」
「うぅわ?!」
いきなり襖を開けたため、桂が持っていた筆を落としかける。
「桂先生!桂先生!」
「いや、あの、落ち着いてほしいのだが・・・」
気が付いたら桂に近寄り、胸倉をつかんで揺らしていた。
「・・・っは!!!すいません」
急いで胸倉をつかんでいた手をはなして、桂のそばから離れる。
「それで・・・話とは?」
ゴホン、と咳払いをして桂は座布団を指差す。空音は桂が指差した座布団へと腰を静かに降ろした。
「それでですね・・・ある人物についてお聞きしたいのです。」
「・・・ほう?」
「まずは、惣次郎っていう方は知っておられますか?」
「・・・惣次郎・・・と・・・」
桂は自分の記憶の糸を手繰り寄せるが、ピンとくるものはいまいちない。その桂の様子をみた空音は話を続ける。
「では・・・いずもと言う方をしっておられるでしょうか?」
夢の中でただ聞いただけの名前。しっかりとは覚えておらず、漢字は不明。
しかしなぜか『惣次郎』は何かがひっかかる。
何処かで聞いたことのあるような・・・何処か、懐かしい名前。



