試衛館の皆とであったのは一本の橋の上だった。




何処から来たのか、帯刀した浪士に襲われ、なすすべもなくうろたえている私を、助けてくれたのだ。



惣次郎が。




まだ5歳のであったのだが、その一瞬にして剣術に惚れこんだ。



試衛館という道場で稽古しているらしい。



私はすぐに家の人には秘密で門下生となった。


いつも散歩へいくふりをして、毎日通った。




そのうち、いつも引きこもっていた私を不番に思った空姉さんが、どうしたの、と事情を尋ねた。
嘘は、つけなかった。




危ないじゃない。送り迎えは、私がしてあげるからね。




嬉しかった。なんでかは分からなかったけれど、嬉しかった。