奏でる愛唄




「私いいもの持ってるよ」


そう言って取り出したのはのど飴


「歌姫は喉が大切ですからな」


「歌姫じゃないよ……飴は貰うけど」


「いつかは日本の歌姫になるって」


「ならないよ。私なんか……それよりつばさって親みたいだね」



「そっかな?私の親もこんな感じだけど」



無邪気な笑顔が凄く眩しかった



「唄の親はどんな感じ?」


「優しいよ」



何となく心配されたくないと思い咄嗟に嘘をついた