「御用改めだ!手向かうものは容赦なく斬り捨てる!」
「壬、壬生浪だっ―――!」


酒の入った浪士達には一瞬何かわからなかったようだ。
刀を抜き斬りかかってくる浪士達に相手に
杏里は赤子の手を捻るかのように斬っていった。
沖田も余裕で戦っていた。
すると一人の浪士が後ろの方で声を荒げていた。


「吉田先生、宮部先生!早くお逃げください!」
「退路は我々にお任せ下さいっ!」


頭でをあろう人物を命がけで逃がそうとしていた。
長州の【吉田稔麿】、肥後の【宮部鼑蔵】は倒幕派の中心人物で、
新選組のブラックリストにも上がっていた重要人物であった。


「近藤の首を狙えっ!」


浪士が近藤へと斬りかかる。


「近藤さんっ…!」
他の浪士と対峙していた杏里は素早く斬り捨て、近藤に斬りかかる浪士を斬った。
一階の方からは永倉や藤堂の声が聞こえる。
下の方も凄まじい斬り合いになっているようだ。


「どけっ!若造っ!」
「一応幹部なんだけどさ…。俺の首を狙っても手柄になるんじゃないの?」


言うなり目の前の男を叩き斬る。


「こいつぁ、沖田じゃねぇか!沖田総司だっ!」
「如何にも。副長助勤、一番隊組長沖田総司。
死にたくなかったら素直にお縄についてくれるかな。」
「誰がお縄につくか!お前の首、頂くっ!」