そしてその日の夕方。 私と智はお兄ちゃんの車で市役所に向かっていた。 「おい智、かわいい妹を泣かせたらどうなるかわかるよな?」 「はい、分かってます、お兄様。」 「まさかお前にお兄様なんて呼ばれる日がくるとはな…」 「お兄ちゃん変な気分でしょ?」 「そりゃあな…ほら、着いたぞ。」 車は市役所の駐車場に停車していた。 「婚姻届け出したらもう夫婦なんだから、最後のカップルの時間を楽しめ。」 お兄ちゃんは気を利かせて車から降りてくれた。