きっと刺さるような寒さなんだろうけど。
でもちっとも寒いだなんて思わない。
それはきっとあなたが隣にいるから―――
「ほら、あいつ。鼻ほじくってる」
「やだ、先生ってば!汚い!!」
「っせーな」
昨日あんなこと言った次の日だけど
先生に忘れられたらどうしようって不安に想いながらこの教室に入ったけど。
先生は
「おお、来たか」
そう言ってあたしを優しく迎え入れてくれた。
「先生もそういう事してるんですか?」
今はただあなたとの楽しい時間を過ごしたい。
こんな風に
ふざけ合って。
「お前、仮にも彼氏に向かってなんだよ、その言い方」
あ。
ちゃんと彼氏って呼んでくれるんだ。
あたしの事、彼女って思ってくれてるんだ。
それが嬉しくて
くすぐったくて。
思わず笑みがこぼれる。