執事と共に雪遊びを。

「最近の若い方は、優しい人ばかりね」

「そうですか」

「ええ、この間もね、男の人が助けてくれたのよ。とても強面な方だったけど、優しかったわ」

「強面な、男の人」

「随分綺麗なお嬢さんと一緒にいてね、そのお嬢さんが話し相手にもなってくれたのよ」

「お嬢さん」

「そう。黒い髪の綺麗な子だったわ」


春樹は、一瞬車椅子を押す手を緩めた。