執事と共に雪遊びを。

老婦人が慣れない車椅子で廊下を曲がりきれずに道を塞いでいるところを通りかかった。


「失礼しますよ」


春樹は、そっと安全な位置から車椅子を押してやった。


「病室は、どちらですか」

「あら、いいのよ」

「気にしないで下さい」

「じゃ、お言葉に甘えるわ」


春樹は、老婦人の指差す方へ車椅子を押し始めた。