執事と共に雪遊びを。

「春樹?」


恵理夜の呼びかけにも、春樹は答えない。

ただ、タクミの残した落書きに驚愕の視線を注いでいた。


――その落書きの高さが、丁度春樹の部屋に書かれた文字と同じ高さだったからだ。


病室の扉が開く。


「お嬢、そろそろ帰りますぜ」


マナベだった。

面会時間終了が迫っていた。