執事と共に雪遊びを。

「朝、窓に文字が書かれているそうです」

「文字?」

「はい。結露した窓に指で書かれた文字があるそうです」

「結露の水が垂れて文字に見える、とかじゃなくて?」

「いえ、本当に文字だそうです」

「同じ病室の誰かが書いていったんじゃなくて」

「個室でも、同じことが起こっているそうですからね。花同様、部屋には誰も出入りしていなく、朝になって文字だけに気づく、とか」

「つまり、密室の部屋の窓にも文字が書かれている、ということ?」

「そのようですね」