執事と共に雪遊びを。

「……私から、睡眠を奪うつもり?」


春樹と引き離されてから、恵理夜の寝つきはいつになく悪くなっていた。

恵理夜は、本気で春樹を睨んだ。


「いえ、怖がらせるようなつもりは……と、いうよりお嬢様はこのようなお話が、苦手……」

「平気よ」


馬鹿にされた、と思ったのだろうか。

恵理夜は強い調子で返した。


「で、その怪奇現象と、いうのは?」

「はい」


春樹は、訥々と病院内で噂になっていることについて話し出した。