冷えるが、穏やかな午後。

窓の外には、昨夜降った雪が大量に溶け残っていた。

窓の反対側のベッド脇には、恵理夜が丸椅子に座っていた。

学校帰りのまま訪れたのだろう、いつものセーラー服姿だった。


「はい。怪奇現象です」


ベッドの上に半身を起こす春樹は、至極真面目な表情で繰り返した。