恵理夜に笑われるのも無理は無い。

あまりにも無防備すぎるその顔に、執事としての色はなかった。

春樹は、手を切るような冷たい水で顔を洗った。


そして、ベットの傍の窓を振り返る。

ようやく、朝日が昇ろうとしていた。

深夜のうちに雪が降ったのだろう。

白銀の世界が広がっている。

しかし、その窓ガラスは結露によりひどく曇っていた。

その窓を拭こうと近づき、あることに気づく。