執事と共に雪遊びを。

「そういえばさ、お兄ちゃんの部屋ってお花無いんだね」


知恵の輪の構造をじっくり観察している春樹に、タクミは何気なくそう告げた。


「お花、」

「うん、だっておじさんが、お姉ちゃんと一緒に来てるときって、ときどきお花持ってきてるじゃない」


春樹には、心当たりが無かった。


「てっきり、お兄ちゃんがよっぽどお花好きだから、お兄ちゃんのために持ってきてるんだと思ってた」


他の入院患者のためだろうか、と春樹は思案する。

しかし、特に心当たりも無かった。