執事と共に雪遊びを。

「今の音は……?」

「雨を流すこの配管の中を、水滴が通ったのよ」

「でも、雨も降っていないのにどうして水が……」

「多分、屋上の辺りで雪が詰まってるんでしょう。だから、ちゃんと水が流れなくて溶けた分だけの水滴が落ちて、こんな風に響くのよ」

「どうして、それがお解りに……?」

「家でも、同じ音が聞こえたのよ」


水が流れるはずの管の入り口に雪がつまり、てんてんと溶けた雪の水が音を立てていた。

規則正しく解け落ちる水が、不気味な歩く音に聞こえたのは、管が長いせいなのだろう。