「お嬢」


入り口から、強面の男が顔を出す。


「あ、マナベさん。今行きます」


立ち上がる恵理夜を制して、マナベと呼ばれた男は病室に入った。


「よお、春樹。調子はどうだぁ」

「大分良くなりました」

「その割には、随分と覇気のねえ顔してやがるな」


恵理夜と同じことを言われ、春樹は照れたように目線を下げた。