執事と共に雪遊びを。

その絵は、太陽の中から太陽が生まれてくるような無限を感じさせる絵だった。


「ドロステ効果と錯視、ですね」


春樹がぽつりと呟いた。


「ドロステ効果?」


聞きなれない言葉を繰り返す。


「太陽の中にまた一回り小さな太陽が書かれているように、回帰的な像がもたらす効果のことです。合わせ鏡の絵のような」

「それと錯視って?」

「この太陽、いくつも生まれるように書かれていますが、手前に出ているようにも、奥に引っ込んでいるようにも見えるでしょう」

「言われてみれば」


じっと見ていると、気分が悪くなりそうな絵だった。