-観客side-



優奈を捕まえようとする様子を、優奈たちの死角から見る者……真がいた。



その横には、



真たちが『あの方』と呼んでいた女。




「---様。コレで本当に私とともにいてくれるのでしょうか。」



「えぇ。」



「やっと、やっと私の春希になってくれる。」




女は真を冷めた目で見る。



『カワイそうな女。春希はあなたのものなんかにならないのにね。』



「真さん、この女どうしますか?」



その男の腕には優奈がいた。



「そうね。どこか見つからない場所…。」