「おつかれさまでしたっ。」
朝練を終えて、教室に向かう途中、白い掲示板が目に入る。
その一番端に書かれた名前。
早瀬藍(ハヤセアイ)
俺の彼女。
藍はめちゃくちゃ頭がいい。
この高校は割と名の知れた進学校。
スポーツ特待の俺はよく知らないけど、入学するのはすごく難しいらしい。
その高校で一番。
すごいよな。
俺なんか赤点オンパレードなのに。
「早瀬って頭いいよな。」
掲示板を眺めてたら、拓海に声をかけられた。
一応、一番のダチ。
「なぁ。見た目は頭の大きさ変わんねぇのに。」
「詰まってるもんが違うんだろ。あれであの容姿って詐欺だよなー。でも、もてるのに片っ端から振っちゃって。他校に彼氏でもいんのかねー。」