「俺はその日記を以前の君からあずかってた」 彼が真っ直ぐに見つめる先は、わたしじゃなくて 以前のわたしだと言葉と表情から読み取れた。 きっと、記憶なんかを無くさなかったら今頃は彼も親族として呼び出しなんかされずに済んだのに・・・ 彼の日常をわたしは壊してしまった。 「読むのが・・・怖い?」 なかなか中身を開かない事に心配して、顔を覗き込んだ。