あの場所にたどり着くまで





「俺は、お前が幸せならそれが俺の幸せだ」



海がザザーンと波打つ。



「何それ、ちょーウケるんだけど」


あたしは、あははっと笑った。

なにかっこつけた事言ってくれちゃってんのっ



「いや、俺本気だから」



あたしは笑うのを止めた。

だって拓也の様子がおかしいから。

さっきの拓也じゃないと思った。

翔太の事好きかって聞いた時より
ずっと、もっとずっと…

近い距離で
あたしの方を見ていたから。



「…美緒ちゃんに言ってあげなよ、それ」


目を逸らし、あたしは
ドキドキを押さえ感情の
スイッチを必死にオフに
した。


…だって、もしこのままいってたら
絶対顔赤くなる。


まず二人とも付き合っている人が
いるのに…

二人で海なんておかしいでしょ。

しかももう顔と顔があたりそうな
距離だし…


あたしもおかしくなったのかな?

すっごい今ドキドキしてる。