あの場所にたどり着くまで



「じゃあ、拓也は今でも…」



「そう、最初から今までずっと華ちゃんを想ってる」



あ、やべ…

俺、今美緒ちゃんを傷つけたかも…



「あ、ごめん…」



「いいの、最初からわかってたし」


ふふっ、って笑う美緒ちゃんはどこか切なげで。

思わず、抱きしめた。



「…え?」


少し困ったような声を出す美緒ちゃん



「いや…、俺と似てるから…俺さ、ずっーっと華だけだったんだ」



「うん…」


少し困っていたが、静かに頷く。



「けど、拓也が急に現れて。華をすぐ奪ったんだ…まぁ、拓也は気づいてないけど」



「うん」



「で、ちょー嫌いだったんだ…けど、拓也に一回助けられた事があって」


そう、たった一回だけ。



「…どんなこと?」




「昔、華が川に落ちたことがあって…その時俺しかいなくて、助けに行ったら俺まで溺れて…」



「えっ?大変じゃん!」




「そう、中学生なのにな…(笑)けど、その時拓也が来たんだ」



「へー…で?」




「拓也が、すぐに紐みたいなの探してきてそれで上がれた」



「やるじゃん、拓也君」




「うん、けど華は傷だらけでさ、拓也がお姫様抱っこして病院に運んだんだ」



「へぇ、すごいね」




「うん、それで俺は拓也のことが大切な存在になったんだ」



いわゆる親友ってやつだ。

まぁ、華はそうとうあの時嫌がってたけどね。