初めて未愛と話した日。 あの日は未愛の歌声が聞こえて、気がつけば中庭に降りていた。 未愛は何度も同じフレーズを歌い、何度も同じ所で止まる。 あーでもない、こーでもないと悩みながら続きを歌ったりするが、なにかしっくりこない様で、指を口元に持っていくしぐさをする。 曲作りをしているのだと思い、オレは曲の続きを口ずさんでみた。 それが未愛にとっての、オレとの出会いだったと思う。