『なんのためにこの忙しい身で、わざわざあんたなんかを産んだと思ってるの』
ああ、この人は何を言ってるんだろうか。
『まぁ幸いなのは私に似て顔立ちがいいことね。かわいくなかったら、どうしてたかわからないわ』
自分のことしか考えていないんだろう。
自分が産んだから好きにしていい。
あたしは一生この人の言う通りに生きるのだろうか。
外では仲のいい親子だけれど、実際は別居であたしは一人暮らし、生活費はあいつからの仕送りだけど、中身はあたしの給料の一部。
残りは全てあいつらの金になる。
仕送りが来ないことも多々あった。
そんなときにいつも支えてくれたのは玉置さんだった。

