『大丈夫だってば!』 『いいから黙って送られてろ』 オレは未愛の髪をくしゃっとする。 『んもー!髪に触るなーっ!』 顔を赤くして頬を膨らます未愛が、可愛くて仕方がない。 『お前の親は何してんの?』 歩きながら質問する。 『………んー……親、か…』 未愛は急に下を向き、言葉を詰まらせる。 『あ、すまん!もしかして……』 『んーん。私を作った男と女なら生きてるよ?』 未愛は下を向いたまま答え、そこにあった石を蹴る。