「…オレだったら、好きじゃなくてもふらないね」
一弥は威張って言う。
威張るとこ違うだろ(笑)
「裏があるんじゃね?」
一弥は顎の下に手を持っていく。
お決まりの探偵ポーズ。
やっぱりあると思うか?
「…今日派手な女に絡まれて、意味深なことを言われたんだよ。もしかしたらそのせいで未愛の態度が変なのかも」
「お前…そろそろ名前覚えてやれよ。立川優衣(タチカワ ユイ)だろ?」
面倒くさい。
つか、今そんなことどうでもいい。
「可能性はあるな。じゃあそれを解決できればいいんだろ?簡単じゃん♪」
一弥は楽しそうに言う。
そんな簡単なことじゃなかった。
元々アイドル(というか芸能界)に興味なかったオレは、恋愛が禁止であることを知らなかった。
最初から知っていれば、お互いにこんなに苦しまなかったかもな。

