どうやら、美莉は国公立組だから、
午後も講義があるらしい。
「もー、ホント、勉強とかヤになるよ」
「お先に受験競争イチ抜けたしててごめんね〜」
「このやろぅっ」

美莉が悔しそうに言う。
でも、全然悔しそうな顔じゃない。
っていうか、楽しそうで、私まで楽しくなってくる。
「こちとら、バレンタインとか一次の結果で楽しめそうにないよ」
「あはは。私が美莉にチョコあげるから、我慢しなさい」
「おっけ。茉湊のチョコ、楽しみにしてるぅっ」

今年は何を作ろうかな。
なんてのんきに考えてたら、
美莉が、そういえば。と言わんばかりに言った。



「茉湊は、今年は涼空《リク》にチョコあげないの?」



「……ぇ?」