「あいつ、面白いから」
“はっちゃん”ってあだ名に衝撃を隠せない和樹にニヤっと笑って言う、翔太。
「…ちなみに、お前は?」
「俺?…部活行くぞー」
恥ずかしいあだ名はバレたくないので、エナメルとスパイクを掴み教室を出ようとする翔太。
「どーせ、のだぴーとかやろ」
「………行くぞ」
「…え?え?…図星?」
「毅、置いてかれてるぞ」
教室を出て行く翔太に着いて行く和樹。
和樹は翔太の背中を見ながら、心になにかが刻まれるのを感じた。
甲子園。
野田翔太。
翔太と居れば、甲子園に行けるかもしれへん。
…行けるかも?
ちゃうちゃう。
行くんや。行ってやるんや。
翔太と毅と一緒にプレーして、甲子園に行ってやる。



