翔太はそう言うと、毅に背を向けて歩き出した。 …美夏は俺のモノじゃない。 ごめんな、翔太、美夏…。 でもな、美夏。 俺、お前が好きだから。 この気持ちは偽れないし、止められないんだ。 教室へ入り、指定された席に座る。 廊下側から2列目、後ろから2番目が俺の席。前は毅。 一番廊下側の後ろの席、名簿40番が美夏の席だ。 毅の前の席は高梨。 上手い具合に、みんな固まっている。 「ったく。先行くなよ、翔太」 「…わり」 「幼馴染みちゃうの?」 「ちげーよ」 《もうすぐ、彼女になるから》