「翔太、おはよーさん!」
朝からこのテンションの高さは…間違いなく、毅だろう。
「よう」
振り返って手を挙げると、思った通り毅だった。
「朝から女の子連れて熱々ですな~」
「ばっ…ちがっ!彼女じゃねーよ、幼馴染み」
「翔太、もう友達出来たの?…川中じゃないよね?」
俺のブレザーの袖を引っ張り、美夏が聞く。
翔太の心臓がまた高鳴った。
「あぁ。ちげーよ。…昨日絡まれた、南中のキャッチャー」
「え!?…もしかして、灘毅くん?!」
袖を掴んでいた手はいとも簡単にはずれ、温かさと寂しさだけが残った。
「名前まで知ってるん!?俺って人気者?」
「灘くん、格好良くて野球上手いってめちゃくちゃ有名だったんだよ!」



