「あっ汚い」 そう言って誰かが手を遠ざけた。 「大丈夫よ、洗えば使えるよ」 そう言って誰かが手を差し伸べた。 「そう?とても綺麗になるとは思えないけれど。あたしは触りたくもない」 そう言ってそれを見て、苦虫を噛んだように顔をしかめる。 「でもあなたはやっぱり優しいわね」 そしてすぐにその場を立ち去る。 残ったそれを見てもう一人も冷たい顔でその場を去った。 一番汚いのは一体誰なんだか。