好きになってから半年が経ったころ、季節は秋になっていた。

「蛍、告白しなくていいの? とられちゃうよ~?」

智美はニヤニヤしながら言うけど、無理に決まってる。

話したことなんてないし、雨宮くんはわたしの名前を絶対に知らないもん。

だから。

はじめて話したとき、すごくすごく嬉しかったんだ。