「…して」


「ん?」


「…してください」


「何?」


「あたしを…殺して…下さい…」


「……」


「もう…疲れた…」


「……」


「生きるのに疲れた……」


あたしがそう言ったとほぼ同時に部屋の扉が開いた。


部屋に入ってきたのは漆黒の髪色をした男だった。


その男はあたしの傍まで歩み寄ってくると、


「大丈夫か」


ぶっきら棒に言い放った。


「……」


あたしが何も答えず、黙って下を向いてると、銀髪の男が立ちあがる時にあたしの耳元で、


「さっきの話は後で聞くから」


そう言って、完全に立ち上がり、


「この子は大丈夫だよ。喋れてるし」


漆黒の髪色をした男にそう告げた。


「そうか」


漆黒の髪色男はあたしの向かいにある黒ソファに座った。