華麗に舞う龍の如く



「想叶、早く行こぜ」


聖がそう言って歩き出すと、


「待て!ここから動くな」


今まで聞いてた優しい口調からいきなり、低い声に変わり、その言葉で聖は立ち止まった。


「ちょっと紅を頼む」


「……分かったよ」


そう言うと、想叶があたしの元から離れて行くのと同時に聖がこっちに向かって歩いて来てあたしの隣で立ち止まった。


想叶は公園の方に向かって歩いてく。


……?


「ねぇ…?」


「何」


「想叶、どうしたの?」


聖はしばらくあたしを見てから、口を開いた。


「さぁ。知らね」


「……」


「だけど、一つだけ分かるのは、」


そう言いかけた時、聖が公園の方を指差した。


その指に沿って公園の方を見ると、


そこには想叶がブラウンの特攻服を着た人達と殴り合ってた。


…って、言うよりは想叶が一方的に殴ってた。


「ちょ、な、何やってんの、あれ…!」


「見りゃ分かるだろ…」