「まぁ、部屋が同じだから聖も一緒かぁ」
「……」
「紅ちゃん。着てきな」
「…ありがと……」
あたしはそう言って試着室に入った。
あたし…
暗闇に行きたいとばっかり思ってたけど…
こうやって人に優しくしてもらうと…
少しは暗闇に行きたいって言う気持ちが少なくなる…。
まだ、さっき出会ったばかりなのに
こんなに、あたしに優しくしてくれる人初めてだ。
あたし…
生きてて良いのかな…?
これだけあたしに優しくしてくれる人達に
出会えて…
多分……生まれ変わっても、
こんなに優しい人に出会う事はないと思う…
……で、これは何?
今、あたしの足元に置いてあるこの服…
あたし…これ着るの……?

