「あぁ、聖(ひじり)いたんだ」
想叶がそう言うと聖と呼ばれた人は、
「向こうで寝てた」
そう言って奏の横にドカッと深く腰をおろした。
「お前いつも寝てるよな」
奏が煙草に火を点けながらそう言った。
聖って人は金髪でピアスつけてる。
ちょっとチャラそう…。
あたしがずっと聖って人を見てたら目があった。
「…アンタ誰?」
聖って人が素っ頓狂な声を出すと、
「この子はさっき聞こえてたと思うけど、今日から一緒に暮らす事になった紅ちゃん」
「ふ~ん…女か………って、はぁ?」
「色々事情があって今日からここに一緒に住む事になったから」
「一緒に住むって、お前こいつ女だろ?」
「うん。見ての通り」
「寮長に見つかったら一発で退学だぞ」
「うん。大丈夫だよ」
…大丈夫って、想叶は何を根拠にそんな事……。
見つかったら退学ってヤバいじゃん…
「見つかったらお前責任とれよ」
聖って人が想叶を軽く睨んだ。