「ここだよ」
そう言って、想叶と奏が扉の前で立ち止まった。
あたしの目の前には白い扉がある。
扉の横にある銀のプレートには“龍の華”と書いてあった。
りゅうのはな?
「入って」
想叶が扉を開けて端に寄って立ってた。
奏はもう部屋に入ってた。
あたしは小さい声で、
「おじゃまします…」
そう言って中に入った。
中に入ると目の前には窓があって、
左側にはテレビ、その向かいにはソファ。
入り口のすぐ左にはキッチンがある。
テレビとソファの間に机。
右側にはもう一つの部屋への通路がある。
奏はソファに座ってテレビ見てる。
「紅ちゃん、座って」
想叶がキッチンでコップを出しながらそう言った。
あたしはどこに座って良いか分からなかったから、
窓を背後にして机の横に座った。