「何で俺の買って来たんだよ」


漆黒野郎が不機嫌な顔でそう言った。


「え、いらんかった?」


「俺、欲しいなんて一言も言ってねぇよ」


「あ、そう?まぁ、買ってきちゃったから飲んでよ」


銀髪男はコーラのフタを開けて口に運んだ。


一口飲んでそれを机に置くと、


「そう言えば、名前言ってなかったね」


そう言った。


「俺は想叶(そうや)。んで、あそこに座ってる黒髪の奴が奏(かなで)」


「想叶と奏…」


「そ。…っで、一つ聞きたい事があるんだけど?」


「な、何…」


「単刀直入に聞くけど、何で海に飛び込んだの?」


「……」


…奏と同じ事……


出来れば言いたくないんだけど…


だけど…きっと答えるまでひつこく、


聞かれるだろうな…


どうせ…この人達とも今日が最初で最後だろうし…


「…あたし、」


あたしが次の言葉を発しようとした時、


「言いたくないんだと」


奏があたしの方を見てそう言った。