「...俺も願い事しないとな」


君から手を離し、立ち上がる。


夜の、星空を見上げた。


   かれん...?


   お前のために、俺は星に願うよ。


「かれんに、時間と...幸せをください」


目を閉じ、手を合わせ。


願いを唱える。


「涼介...」


君の声で俺は再びしゃがむ。


「願い事、してくれたんだ」


「時間だけじゃなくて、幸せもほしいだろ?」


俺の手で幸せをあげれないと思うから。


星に、くださいって...


願った。


っんと、俺ってずるい。


こんなんじゃ、星だって幸せくれない。


「涼介...。大好き」


幼なじみとしての、君の言葉。


「うん。俺もだよ」


幼なじみとしてではない、俺の言葉。


返事の意味が違うね。


これだけは、許して。


「病気なんか、治してやる...っ...」


泣きそう。


泣かない。


弱いとこ、かれんに見せすぎたから。


「...治んないよ...私の病気。病院に行ったら、手遅れって言われたんだもん。死ぬの、待つしかないんじゃない...?」


「そんなこと、言うなよ」


ただ、待つだけ?


なにして待ってたい?


待つの?


死ぬの、待つの?


怖いだろ?


もっと...


泣いていいよ?


こんな俺でもいいなら、泣きついてもいいんだぞ?