俯きがちに再び夜空を見上げた君。


「んと...21、22、23、24、25...」


「何してんの?」


高ぶる胸を抑えながら君の隣に立ち、君が見ている夜空を見上げる。


「何個の星に願い事できるか数えてた...」


    漆黒の空に敷き詰められた満天の星に


    唱える君の願い事はなんだろう。


「数えられないよ」


星が、たくさんあるよ。


数え切れない。


キラキラ輝く星は、この空にどれだけあるんだろう。


果てなく続いてる。


この空。


「...100」


まだまだまだまだ星はあるね。


「涼介、星っていっぱいあるね。1000個、10000個、100000個、100000000個...それより多いんだよ?いっぱいの星にお願いしたら、願い事......叶う?」


「...叶うよ」


涙でいっぱいの頬。


たくさんの星に願い事するんだから、


君の望んでいることは何もかも叶うんだよ。


それなのに、そんなに泣く必要ないだろ?


両手を合わせ、目を閉じ星に願う君。


君が目を開くと、俺は聞いた。


「お前の願いって、どんなの?」


「私は...」


君の頬を伝う大粒の涙。


冷たい床にぽつぽつ、雨を降らす。


...君の願い事は、儚いもの?


叶わないような、願い事?