それからサラにつきまとうようになり、今ではこうして3人で食事をとるほどになっている。
サロメは最初ルカを牽制するように立ちはだかったが、すっかり馴染んでしまったうえ、両親を亡くしたという境遇に自分が折れるしかなかった。

「サラ、今日は顔色がいいな。後で散歩にでも行こうぜ」

美味しそうにパンを頬張りながらルカは言う。

「お前、仕事があるんじゃないのか」

ルカの言葉に眉間にしわを寄せて睨みを利かせるサロメだが、当の本人は今日は休みだとにんまりしている。

「そうね。なら、北の丘に行きましょうか。ルカの好きな桃が収穫にちょうどいい頃合だから」

くすくすと楽しそうに言うサラに、からかわれていると感じながらもルカは軽く頬を赤らめた。
このませガキめとサロメは呟くが、ルカは聞こえないフリをする。
だってサラとお出かけできるから。
そんな2人をまだ楽しそうに眺めるサラの左腕から指先、両足全体には包帯が巻かれていた。