だらだらと汗が全身を伝う。

こっ!

この手は何でしょうか?!

慌ててどけようとした時、まるで逃がすまいとするかのように、さらに佐久間主任の手に力がこもる。

どどぉっと全身から汗が滝のように噴き出る。

「さっ、さっ、佐久間主任、あのっ!」

全神経が重ねられた手に集中する。


なななんで?!
なんで主任の手がこの上に乗っかっているのでしょうか?!

意味、分かりません!

パニックしている私の指の間に佐久間主任が指を絡めてくる。



うぎゃーーー!

生まれて初めて自分の身に起こった理解不能現象にパニックモード全開!



佐久間主任は目の前のBBの板(ブローカーズブローカーの略:業者間で取引するための売り買いの画面)をじっと見たまま、微かに口を開く。

「杉原君、あのさ、今晩なんだけど……」

その時、救いの神が舞い降りる。

「杉原さん、いらっしゃいますか?!」

突然、背後から飛び込んで来た女性の声に私たちはビクン!となり、お互い手を引っ込める。

「おい!杉原、呼ばれてんぞ!」

「はっ、はぁーーい!」

ドア口に立つ女性が私の事だと分かったのか、私に向かって軽く会釈する。

佐久間主任が気になるものの、私はペコリと頭を下げ、ドア口の女性のところに駆け出して行った。