あ~……。

さすがに、しんどかった。

8時間の披露宴って、どんだけみんな暇なのよ。

私だったら、こういうのごめんだよ。


1年前……。

村のじじばば達に

「自分たちの習い事の発表の場を作ってくれんね?」


と、詰め寄られていた村長さんが、今日の由紀ねぇ達の結婚に便乗したって言うのは、ここだけの話。

まぁ、それなりに感動的だったけどね。

「よぉ!愛!おめぇ、ヒプホプとか言うのやってたんだなぁ?がばい、うまかったべ」

「ヒプホプじゃなくて、ヒップホップ!」

生まれたときからの幼馴染、木村則夫(きむらのりお)が私の後を追い駆けてくる。

「でも、ノリのシンガーソングも上手かったばい」

「シンガーソングゆうな!ロックたい!」

……違い、分かんないし。

「でも、あの佐久間っちゅー男が、長渕の『乾杯』なんか歌うもんだから、すっかり色褪せちまって……」

佐久間……?

ああ。

あのメガネ男ね。

「俺さ、東京、行こう思うてる。一旗挙げるんなら、やっぱ、東京でねぇと」

「歌手になんの?」

「ロックスターじゃ」

「ふーん……」

「お前も行かんか?一緒に、東京……」

「東京?」

東京かぁ……。

悪くないかも。