おそろいのマグカップにお揃いのソーサー。

洗面所の鏡の前には、仲良く二つの歯ブラシとコップ。

そうした食器たちをウキウキ気分でせっせと磨く。

そして、仕上げに小さなお花を飾りつける。

「よし!うん、いい……かも!」


今日は週末。

私は、課長のマンションでお留守番。

課長は、休日出勤。

週に1回くらいのお泊りから、今は、週のほとんどを課長のマンションで過ごすしている私は、今日も夕飯の支度をしながら課長の帰りを待つ。


課長と私は、課長のお父様の喪が明ける約1年後を待って結婚式を挙げることになった。

まずは、NYで内々でNYスタイルのお披露目をして、東京では会社の人たちを呼んでの挙式披露宴。

そして、次のこれが問題なんだけど……。

う~む。

眉間に皺を寄せていると、ピンポーンと言うチャイムの音がして、急いでエプロンを取って、玄関に走る。


「お帰りなさい!」

「ただいま」

課長からカバンを受け取る。

そして、課長からの軽いキスを受け取る。

でも、その軽いはずのキスが、いつの間にか壁際に追い詰められての熱いキスに……。


し、しまった!

いつものパターンだ!


今日こそは、この課長の情熱的なキスに打ち勝たなきゃ!!

今のところ、全戦全敗の私だけど、ぐっと決心を固める。

「課長、あの……ちょっと、待ってください。結婚式のことなんですけど……」

「ベッドで聞こう」

私をひょいと抱かかえると、課長はいそいそと恋人たちの戦場へと連れ去ろうとする。

もう!

課長ってば!!

「大事なお話しがあります!」

私は課長の課長の両頬をばちっと押さえると、頑張って真剣な目で課長を睨む。