誰も居なくなった薄暗い教室に私は飛び込んだ。
「和人ごめん! 委員会で遅れた━… っていないじゃん!」
入り口に立ち、教室を見渡していると後ろから目隠しをされた。
「だ〜れだ☆」
「…和人しかいないじゃん…」
「大正解♪ そんなキミにご褒美をあげよぅ☆ 目、閉じてみ?
俺がいいって言うまで開けんじゃねぇぞ」
黙って目を閉じた私の耳に聞こえてくるのはチョークで何かを書いているようなカツカツとした音。
和人何してるんだろう?
「開けていいよ〜」
目を開いた瞬間、飛び込んできた黒板には━…
“俺、愛果が好き!”
「嘘…」
「嘘じゃねぇよ! 入学式の時から好きだった。俺と付き合ってくれないか?」
「…はい」
こうして私は和人の彼女になった。