「あー!!泰葉、やっと見つけた!!」
廊下の遠くから、香奈がこっちに向かって走ってくる。
「岩瀬に呼ばれて戻ってこないから、心配した」
「あ、ゴメン」
「って、何で顔真っ赤なの?泰葉」
「え!?」
それはー…
「妹尾さんの進路が決まったからだよ」
立川がすかさず、そう言った。
「えぇ!?」
香奈の驚いた声が、廊下に響く。
「やっぱ、泰葉は教師になるの!?」
香奈が興奮気味に聞いてくる。
「あ…うん。目指そうとは思って…」
「向いてるよ!泰葉!絶対、いい先生になるって!!」
背中をバシっと香奈に叩かれ、ちょっと痛いけどー…
「ありがとう、香奈…立川くんも」
迷っているときや、困っているときにいつも助けてくれる二人。
ありがとうって言葉だけじゃ足りない…本当に、いつも感謝してる。



