「なんとか辿り着いた…」
ベットに着くと、先生はすぐに寝息を立て眠ってしまった。
「…先生」
寝ている先生の額に、手を当てた。
額は熱くて、汗ばんでいる。
「先生っ…」
さっき何で抱き締めたの?
何で名前で呼んだの?
どうしてー…
「って…」
聞きたいけど、聞いちゃいけない。
これ以上先生を困らせちゃ、ダメだ。
「先生、ゆっくり休んでくださいね」
汗ばんでいる額を、手で拭った。
「あと、あんまり無理しないでください。…私は、大丈夫ですから」
先生が起きているときに、こういうことを言うとまた…¨自分のことを考えろ¨って言われちゃうね。
でもね、先生。
私は、どうしても先生のこと考えちゃうんだよ。
「…っ」
だって、先生のことが好きだから。
額を拭っていた手に、涙が落ちる。
「じゃあ…帰ります」
寝ている先生にそう伝えると、静かに保健室を出た。



